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第585回 太陽系から惑星がひとつ減った日

2026年08月23日

冥王星が惑星から「準惑星」に降格されたのは、2006年8月24日です。
「水、金、地、火、木、土、天、海…」
一定以上の世代の人なら、子供の頃何度も唱えた言葉ではないでしょうか。
太陽系惑星の覚え方です。
この後に続くのは「冥王星」でしたが、2006年に国際天文学連合は冥王星を惑星から外し「準惑星」に決定しました。太陽系の惑星が1つ減るー世界を騒がせた大ニュースです。
望遠鏡を使わなくても見える水星や金星、火星、木星、土星は古くから惑星だとわかっていました。その後、18世紀に天王星が発見され、19世紀に海王星が発見されます。そして1930年にアメリカの天文学者クライド・トンボーが冥王星を発見し、惑星の数は9つに増えました。ところがその後、冥王星にライバルが出現し、物議を醸すことになります。
10個目の惑星「エリス」の出現
2003年のことです。カリフォルニア州のパロマーシュミット望遠鏡がひとつの天体を発見しました。当初「2003UB313」と符号をつけられたこの天体は、その後「エリス」と名付けられました。
2006年8月にチェコのプラハで開かれた国際天文学連合(IAU)総会は、それまで9つとされてきた太陽系の惑星の定義をはっきり決めるための会議が行われ、冥王星が惑星のままか、そうでなくなるかが採決されることになったからです。
この議論の大きなきっかけの1つに、その後エリスとよばれることになる天体、2003 UB313の発見があります。2003年10月に見つかったこの天体は、公転周期が557年で太陽からの距離が38から98天文単位(平均68天文単位)の楕円軌道をえがいており、さらにその後の観測から、直径が冥王星と同等かそれ以上あることが明らかになったのです。
発見されてしばらくは、地球と同じかそれより少し小さいくらいの大きさと思われていた冥王星ですが、現在では直径2370kmと月よりも小さな天体であることがわかっています。小さいとはいえ、冥王星が太陽系の第9惑星ならば2003 UB313も惑星とよんでかまわないのではないか、第10惑星の発見だ、ということでNASAが発表を行ったのは2005年の7月のことでした。
結局、IAUの総会で2003 UB313は惑星とは認められませんでした。それどころか、冥王星も惑星のなかまからはずされてしまいました。それはなぜでしょう? IAUは、まわりの天体を重力で掃き飛ばして軌道の近くに他の天体がいないことを惑星の条件の1つと定めました。火星と木星のあいだにはたくさんの小惑星がまわっています。実は冥王星や2003 UB313のあたりにも、同じようにたくさんの天体がまわっていることがわかっています。そのために冥王星(と203 UB313)は惑星ではなくなったのです。
ギリシャ神話に登場する「不和と争いの女神」に由来する「エリス」の発見が引き金となって“惑星”の線引きが迫られた冥王星ですが、この出来事は今も「惑星とは何か」を改めて考えさせてくれます。
外山

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