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第558回 ゲームでモテたせいで鬱になった話

2025年07月20日

ある大学生の男性がいました。勉強にバイトとごく一般的な日々を送っていましたが、どことなく満たされない思いを抱えていました。しかし、あるときオンラインゲームの記事を見て、試しにプレイしてみました。そこでは好きなキャラクタになれたので、彼は女性キャラを選択しました。まだゲームに不慣れなため右も左も分からない状態でしたが、ゲーム内で様々な人が親切にしてくれました。実際にそのゲームでの男女比は男8対女2くらいのようでしたが、ゲームキャラの性別は5対5くらいでした。ゲームキャラで選択した職業は回復師で、色々な人を回復させる仕事をしていました。そして仲間を回復させるたびにお礼を言われたり色々なプレゼントをもらいようになりました。楽しくなってきた彼はそこかしこで回復してあげることにしました。結果、冒険はほとんど進みませんでしたが、ログインするたびに色々な人を回復させること自体にハマっていきました。さらに人気が高まり女王のような扱いを受けるようになりました。

人の役に立ちさらに多くの人にチヤホヤされる彼はゲームの中で何よりも強い充実感を得られるようになってきました。しかし少しずつ問題が生じ始めました。まずゲームが充実しすぎた結果、現実世界に適応しづらくなっていきました。また現実で一つ一つのことに喜びを感じづらくなりゲームのことばかりを考えるようになりました。

やっぱりゲームは良くないと思うかもしれませんが、キャラを演じること自体はダメではありません。マイアミ大学の心理学者アレン・マッコーネル博士は多くの自己イメージを持っている人ほど鬱になりにくいと発見しています。社会人で言えば会社勤務という自己イメージしかない人と会社勤務・趣味がサッカー・料理が得意など色々な自分を認識している方が鬱になりにくいわけです。ストレスを受けたとき自分には他にも色々あると思えることで打たれ強くなると考えられるわけです。

実際に鬱になる人は「狭い世界」に囚われていることが多いわけです。よって世界を広げるのは何より大切です。様々な集いに顔を出すのも良いし、新しいことにチャレンジしてみるのも良いでしょう。

彼の場合も喜びもあったでしょうが、ゲームがあまりにも強烈だったため、一つの自己イメージが大きくなりすぎ、今度はそれが新しい「狭い世界」になってしまったのが問題なのです。

福田

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