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第525回 覚醒剤とは

2024年01月21日

日本における懲役者のうち覚醒剤は2番目に多い原因です。特に日本で薬物治療を受ける患者のうち7割ほどが覚醒剤だと言われています。

覚醒剤を打った際の効果は以下の通りです。

まず覚醒剤を静脈に注射するとゾクゾクと冷えるような快感があります。これを寒さのように感じることから「シャブ」と呼ばれる説もあります。快感ホルモンであるドーパミンが過剰に放出され高揚感が生まれます。その結果眠気が減ったり頭が冴えて「覚醒」し仕事や勉強に集中する事もあります。

しかし、それは最初のうちだけで効果が切れればすさまじい疲労感と倦怠感に襲われます。しかもドーパミンはどんどん出づらくなります。その結果薬物の使用量も増えていきます。それでも使用を続けると幻覚や妄想があらわれ錯乱状態になります。

ちなみに覚醒剤はあぶって吸入するという使用方法もあります。この場合注射に比べてソフトに効くため注射に比べて依存しにくいという人もいますが、注射よりも面倒さがないため何度も行ってしまうそうです。加えて量が必要なためお金が高くつき少量で快感を得るために注射に行き着くそうです。よって「シャブ」の由来として「使うと骨の髄までシャブられる」という説もあります。

実は覚醒剤は日本で生まれています。そもそも麻黄という漢方からエフェドリンという喘息の治療薬が生まれました。さらにその課程でメタフェミンという物質ができました。こちらも最初は喘息の治療薬でしたが興奮作用があまりに強く「覚醒剤」として広まったのです。

実際1994年代に「ヒロポン」という名前で市販されています。「ヒロポン」の由来はギリシャ語の「philo ponos(フィロポノス)」こと「仕事熱心」が語源だったそうです。よって仕事のやる気を出すためやうつ病の治療に使われたこともあったそうです。

ヒロポンは戦時中では恐怖を消すために使われ、戦後には軍から大量に流出して多くの覚醒剤依存者が出ました。国は自体を重く見て法律を制定、その結果沈静化しました。これが第一次覚醒剤乱用期です。次は1970年代にオイルショックなどの不況によって収入に困った暴力団が全力で販売を行った第二次覚醒剤乱用期が起こり、1990年代には第三次覚醒剤乱用期が起こりました。

このとき覚醒剤は「スピード」「アイス」「クリスタル」「S」などと呼ばれ、これによってハードルが低くなり広まりやすくなったようです。さらに注射だけでなく「あぶる」吸い方がメインになったため若者を中心に大流行しました。しかし法律や警察の地道な努力によって新規患者数は減ってはいます。ですが減っているのは新規患者のみで一度でも逮捕された人がその後何度も使用してしまうなど年配の依存者が増えています。

覚醒剤は一度でもやったらやめられない魔力があると言えます。

福田

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第524回 『昭和』改元の日

2023年12月24日

  1. 12月25日は「『昭和』改元の日」です。

    1926年(大正15年/昭和元年)のこの日、大正天皇が崩御され、皇太子であった裕仁(ひろひと)親王が新天皇に即位されました。
    これと共に新しい元号「昭和」が制定されました。
    「昭和」の由来は、中国最古の歴史書『書経』にある「百姓昭明、協和萬邦」(百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦(ばんぽう)を協和す)という一行から上下一文字ずつ取ったもので、国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う意味との事です。
    戦前の旧祝祭日では、大祭日の一つ「大正天皇際」(12月25日)といって大正天皇崩御を祀る日とされていました。
    当時、枢密院議長だった倉富勇三郎の日記によれば、宮内省作成の元号案として「神化」「元化」「昭和」「神和」「同和」「継明」「順明」「明保」「寛安」「元安」があったが、数回の勘申の結果、「昭和」を候補とし、「元化」「同和」を参考とする最終案が決定しました。
    一方、内閣では「立成」「定業」「光文」「章明」「協中」を元号案の候補に挙げていました。
    東京日日新聞(現:毎日新聞)は、早くから「新しい元号は『光文』になるらしい」という情報を得ていたため、政府の公式発表の前に「元号は『光文』に決定」と報じました。
    しかし、政府は元号を「昭和」と発表したため、この「特ダネ」は「大誤報」となってしまい、編集局主幹の城戸元亮(きど もとすけ)は責任をとって辞任したそうです。
    「光文」は新元号の候補の中にあり、「元々『光文』に決定していたものが、新聞で先に報道されてしまったため、政府は『昭和』に急遽変更した」という噂が生まれました。
    日本のクリスマス普及にも関係があり、この翌年に休日法が改正されて大正天皇が崩御された12月25日は「大正天皇祭」として休日に。昭和22年まで休日とされ、その間にクリスマスが定着したそうです。
    昭和の時代は日本の歴代元号で最も長く、昭和天皇の在位期間である1926年から1989年(昭和64年)まで。その後、1989年1月7日に昭和天皇が崩御され、今上天皇が即位された翌日に「平成」へ改元されました。
    平成から現在の令和、昔とはだいぶ変わりましたが、一日一日を大切にしていきたいと思います。

今年も残りわずかとなってまいりました。皆様にとってたくさんの幸せが訪れる一年でありますように 。良いお年をお迎えください。
外山

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第523回 増え続ける薬物依存

2023年12月17日

薬物依存症の話を聞くことがあると思いますが、現在患者数はジワジワと増えているそうです。薬物の検挙数は2012年から2021年の間で覚醒剤は年々減っているが大麻については増加傾向にあり全体的には増加する結果となっています。

実際の患者数の統計ではなく検挙人数なのかは、薬物依存症はうつ病や不眠症などとは違いよほどのことがなければ病院には行かないからです。よって検挙人数を大きな目安としているのです。

さらに20歳未満では2014年までは減少傾向だったのが2016年までに増加し、2017年に再び減少したがまた増加傾向にあるそうです。さらに大麻に関しては2012年から2021年間ずっと増加する結果となっています。

これほど薬物使用者が増加した理由としては寂しいからだと言われています。例えばアメリカでは2020年の薬物による死者が前年よりも30%も増える結果となりました。これについてアメリカの医療政策専門家ジョシュア・M・シャーフステイン博士は「コロナの流行で薬物治療の施設やプログラムが機能しなかったからだ」と述べています。加えて外出する機会が減り、孤独による不安やストレスが高まり、薬物に走りやすい環境だったからだと考えられます。

これはアメリカのことだけではなく日本でも同様だったと考えられます。

特に最近ではネットの発達によってSNSで簡単に買えてしまうこともあります。

シャーフステイン博士によればコロナよりも薬物の方が死亡者が多く重大な問題であるとしています。

ではどんな人が薬物にハマりやすいと思いますか。人間の脳にはドーパミンと言われるホルモンがあります。ドーパミンによって楽しさや気持ちよさを感じます。

ドーパミンの働きが弱い人の場合勉強や仕事に集中しづらかったり人間関係をスムーズに築きにくかったりします。そのために普段から孤独や苦しみを感じそれを治療するために依存物質を使いやすくなります。これを「自己治療仮説」と言います。なので誰に何を言われても自分は治療しているだけだなどとして受け入れないわけです。特に薬物は確実な効果が出たり、強烈な刺激があるので普段からドーパミンが出づらい人は落差でさらにハマってしまうそうです。ドーパミンが出づらい人は発達障害やADHDの傾向がある方が多いとされていますが、それは程度の違いでしかないので全ての人が薬物のハマる可能性があるのです。

福田

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第522回 一水四見 見る人によって物事が違って見える事を忘れない

2023年12月10日

一水四見とは同じものでも見る人によって見方が違ってくると言う禅語になります。

人間が水と見たものでも、自在に水上を歩く天界の方々からは水晶に、地獄の亡者からは血の池に、魚類からは自分たちの住処に見えることから、立場の違いでそれぞれの見方が変わると説くものです。

水を眺めるだけで四種類の見方に分かれるのですから、世の中となるとさぞかし多くの見方に分かれていることでしょう。

自分と他者を比べれば、生まれた環境や世代の差もあり、考え方に違いが生まれるのは不思議なことではありません。

しかし、自分と違うその人の考えを少しでも理解することが出来れば、信頼が生まれ、お互い助け合うことが出来ます。自分一人の考えに凝り固まるのではなく、見方や立場によって同じ物事でも、さまざまな姿になるというのを覚えておくことが大事ですね

 

藤浪

 

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第521回 白珪尚可磨(はっけいなおみがくべし)学びに卒業はない

2023年12月03日

白珪(はっけい)とは白く完璧な玉のことを指します。

この禅語は白く完璧な玉であっても磨き続けなさいという教えになります。その分野に関してこれ以上ない知識や経験を得たとしてもそれに慢心することなく、さらに精進しなさいと言う意味です。

 

自分たちは小学校、中学高校そして大学と学校に入学したらいずれ卒業があります。しかし学校を卒業したからと言って学びに卒業はありません。自己の人格を磨き、豊かな人生が送れるように生涯に渡り、学校だけに留まらずあらゆる場所や機会のたびに学び続けることです。

「これで良い」「これで完璧」ということはなく、常に上へ上へ、高みへ高みへと目指していく姿勢や努力をし続けることが大切です。これでいいと思ったらその時点で終わりになってしまうのです。

 

少し古いですが、KREVAの楽曲「かも」では『このままこうしていられるなら他には何もいらないそんな風に思ってしまったなら、終わりが近いのかも』と耳が痛い歌い出しですが、これはまさに白珪尚可磨といえます。

長い人生の中で同じ速さで走れ続けるのは難しいですが、時にゆっくりしたり休みながらでも一歩ずつ進んでいきたいですね。

 

藤浪

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第520回 いい風呂の日

2023年11月26日

11月26日は「いい風呂の日」。「1126=イイフロ(いい風呂)」の語呂合わせから、日本浴用剤工業会が制定したそうです。

秋が深まるにつれて朝晩と昼間の寒暖差も激しくなり、徐々に冷えを感じる人も増えているのではないでしょうか。寒暖差によって自律神経が乱れると、一層冷えを感じやすくなるといいます。
入浴は単に汚れを落とす行為ではなく、体のメンテナンスという意味でも役立つものです。株式会社バスクリンの「チームお風呂博士」のひとりで、バスクリンつくば研究所の石澤太市さんがこの季節に特におすすめしたいのは、「冷え」対策だと言います。
冷えは、血流が悪くなることで生じます。血流が悪くなる原因は、ストレスや不規則な生活、筋肉量の不足など、さまざまです。お風呂に入ると温熱作用、水圧作用、浮力作用により、体がリラックスし、体温が上昇します。全身の血流が良くなるため、さまざまな原因の冷えに対して効果が期待できるのです。
「冷え」に効く3つの入浴法
(1)たっぷりのお湯で温熱と浮力を感じる
お風呂に浸かるときは、温かさとともにゆったりと浮力も楽しむのがよいといいます。
お湯の温熱には血行を促進する効果があります。そして、浮力には、関節や筋肉の負担を和らげ、脳の緊張を緩和させるなど、リラックス効果があることがわかっています。できるだけたっぷりのお湯でゆったり気分を味わいましょう。
(2)ぬるめのお湯にしっかり浸かる
40℃程度のお湯で10〜15分、しっかり浸かりましょう。
朝晩がひんやりとしてくる秋は、少しぬるめのお湯がおすすめです。熱めのお湯に比べて体温の上昇は緩やかですが、緩やかに上がる分だけ体の芯まで温まり、入浴後の体温が冷めにくくなります。
10〜15分は意外と長い時間ですが、額に汗ばむ位を目安にすれば良いでしょう。また、入浴は思った以上に汗をかいて水分を奪われるので、水分補給はしっかりと行いましょう。また、体調に合わせて、無理をしないよう気をつけてください。
(3)半身浴でもOK
湯船に長い時間浸かっているのが苦手な人は、半身浴でもよいそうです。
まず、体を温めるために5分ほど全身浴をします。次に、体を起こしたりお湯を減らすなどして、水面がみぞおちの辺りにくるぐらいにして、15分程度半身浴をします。さらに、この状態で顔を残してお風呂の蓋をすれば、サウナ状態になってより効果的です。
入浴は長く入るほど効果が高くなるというものではありません。入浴剤を上手に活用することも、体を温める点で効果的だそうです。さら湯より効果的に体を温め、浴後もぽかぽか感が続きます。さらに炭酸ガス系入浴剤は血管拡張作用もあり、おすすめです。
寒くなってきますので、毎日のお風呂でゆっくり温まりたいと思います。
外山

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第519回 学歴と自殺率の関係

2023年11月19日

学歴とうつ病には密接な関係があるそうです。

皆さんは「高学歴の人」と「低学歴の人」では自殺率が高いのはどちらだと考えますか。

答えは低学歴の人の法が自殺率が高いと言われています。

人によっては高学歴の方が難しい仕事を任せられたりしてストレスを溜め込むんじゃないのかと考えるかもしれません。ですが、大阪大学や国立がん研究センターなどの調査によると最終学歴が大卒以上の男性は中卒の男性に比べて自殺リスクが53%低下していたそうです。女性の場合でも最終学歴が高卒以上の女性は中卒の女性よりも自殺のリスクが56~80%低かったそうです。さらに、生活ランクや健康状態など他の要素が同じ場合でもこの差が生じたそうです。

実際に自殺する方の多くはうつ病であることが多く、学歴が高い人ほど重症のうつ病になりにくいと考えることもできます。それこそ多くの知識を学んでいるからとも考えられます。人間が悩む場合大半が狭い世界の中で苦しんでいます。しかし、知識を得ることで世界が広がります。そうすれば明るく前向きに生きることができます。これこそが高学歴の人にうつ病が少ない理由ではないでしょうか。

なら低学歴の人はどうにもならないのかと思うかもしれないですがそんなことはありません。そもそも高学歴の人はそれまでにたくさん勉強をしてきたはずです。それゆえに勉強する習慣ができているので常に多くのことを学ぼうとするものです。よって刻々と変わる社会の中で色々な知識を得て柔軟かつ前向きに生きていけるのではないでしょうか。もし勉強習慣がないのにたまたま高学歴になった人はその後の人生が厳しいものになるかもしれません。

自殺率を下げたいと思うなら、あなたも今すぐ何かの勉強をしてください。それは資格や検定または本を読むだけでも構いません。やれることの幅が広がれば視野が広がりますし、また勉強することで自信に繋がれば自殺やうつ病の可能性も減ります。

福田

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第518回 薫習 目に見えない香りのごとく知らずのうちに染みつくもの

2023年11月12日

最近は気温が下がり衣替えの季節になってきました。

いざ冬服を出してみると、香りというのは目には見えないのに不思議と感じることができ、長期間タンスにしまっていた為に防虫剤や木の香りが衣類に移ってるなんてことがあると思います。

 

人もこれに同じように、いつもそばにいる人の影響を受けていくものです。これを薫習と言います。

よい香りの中にいれば、気づかないうちによい香りが自分の体に染みついてしまうように、「優れた人の近くにいると、知らないうちに、自分も優れた人になれる」という意味の言葉です。

 

いつもそばにいる人というのは、職場に行けば仕事仲間がいますし、家に帰ってくれば家族がいます。はたまた、いつも連絡を取っている友達や昨今ではいつも見ているSNSのユーザー、Youtuberにだって影響されているかもしれません。

知らず知らずのうちにそばにいる人の影響を受けるのであれば、自分が尊敬できる人の側にいるのがいいですね。

 

また人の思考や行動は、知らず知らず、習慣となって心の奥底まで影響を与えると言います。

自らの考えや行いはそれがなくなった後でも、心の中に染みついてしまい習慣として残ります。

普段どんなふうに考えてどんなふうに行動するかがいつのまにか、心の習慣として確立されてしまい、それがよくも悪くも心に影響を及ぼしてしまう。これも薫習と言えるでしょう。

 

以前「人は習慣が10割」という本もご紹介しましたが、潜在意識に刷り込まれた情報はやがて行動や言葉、表情などに現れてきます。潜在意識によって生み出されたのが「習慣」となって出てきます。

 

一緒にいるだけで、なんとなく明るい気分になる人。元気をくれる人、安心感をくれる人。そのような思考や行動が作りあげた習慣が、匂いのようにその人の周りにも漂うのではないでしょうか?

 

よい香りを放つ人になりたいものです。

 

藤浪

 

 

 

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第517回 一箇半箇 得難い友人を大切に

2023年11月05日

現在ではSNSなどで情報があふれており「拡散希望!!」などのフレーズをよく聞くことがあると思いますが、一箇半箇の教えというのはこの真逆の事を表しています。

 

この禅語は曹洞宗の宗祖である道元禅師が天童如浄禅師から教示された言葉であり、数の問題ではなく極めて

少数希少で得難い人物の事を指しています。

誰かれ構わず大勢の人に伝えるのではなく、たとえ一人でもいいから正しく伝えるという教えになります。

 

自分たちの投稿の「いいね」の多さにいつも一喜一憂していることがあるかもしれませんが「一箇半箇」の教えを思い出せば、無理をしてまで人間関係を広げる必要が無いとわかると思います。

 

多くの友人を持つより、本当に思いやれる友人が一人、二人でもいるのであれば充分。自分の意図しない内容が多くの人に伝わってしまうのであれば、少なくても正確に伝わることが大切なのではないかと気づかせてくれるような言葉だと思います。

 

藤浪

 

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第516回 霜降

2023年10月22日

「霜降」は二十四節気のひとつで、「そうこう」と読みます。
「霜降」とは、霜(しも)が降りる頃という意味です。この時期になると気温がぐっと下がり、空気中の水分が凍って草木の表面や地面につくと霜になります。このひとつ前の節気は「寒露(かんろ)」で、寒くても凍っていない露(つゆ)でしたが、霜降では凍って霜になるのです。
2023年の「霜降」は、10月24日から11月7日です。霜降は二十四節気のひとつで、毎年10月23日頃~11月6日頃にあたりますが、日付が固定されているわけではありません。二十四節気は季節の移り変わりを知るために、1年を約15日間ごとに24に分けたものですが、太陽の動きに合わせて1年を24等分して決めるので一定ではなく、1日程度前後することがあるからです。
二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯は、霜降の間にこのように移り変わります。
※日付は、2023年の日付です。
■初侯:霜始降(しもはじめてふる)10月24日頃
山里に霜が降り始める頃。草木や作物を枯らす霜を警戒する時期です。 俳句では「初霜」は冬の季語になっています。
■次侯:霎時施(こさめときどきふる)10月29日頃
ときどき小雨が降る頃。「霎」をしぐれと読むこともあります。ひと雨ごとに気温が下がっていきます。
■末侯:楓蔦黄(もみじつたきばむ)11月3日頃
楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃。晩秋の山々は赤や黄に彩られ、紅葉狩りの季節です。 俳句の季語には、「薄紅葉」や「初紅葉」など、色づきはじめた情景巧みに捉えた言葉があります。
霜降の次の節気は「立冬」で、暦の上では冬に入ります。残り少ない秋に意識を向けて、旬の味覚を堪能しておくとよいでしょう。秋の味覚はたくさんありますが、なかでも秋鮭は、産卵のために川に戻ってくるのでさっぱりとした味わいで人気があります。また、りんごは霜降の頃から収穫が始まるものが多く、柿は出荷の最盛期を迎えます。店頭で見かけたら旬を味わってみてはいかがでしょうか。
外山

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