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第42回 アドラー心理学における劣等感

2015年09月20日

アドラー心理学とは、オーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラーが創始し、その後継者たちが発展させた
心理学の理論、思想と治療技法の体系です。アドラー自身は自分の心理学を個人心理学(Individual Psychology)と
呼んでいたそうですが、個人心理学というと、個人を細かく分析したり個人のみに焦点を合わせるように誤解されやす
いので、日本ではアドラー心理学が一般的な呼称です。
また、アドラーはフロイトやユングと並び称される心理学の三大巨頭とされています。しかし、フロイトやユングと違
い余り著作を残さなかったり、弟子をそんなに取らなかったことから他の二人と比べ知らない人も多いかもしれません
が、有名な多くの心理学者たちはアドラーの影響を受けているそうです。
アドラー心理学では、劣等感とは不健全なものではないとされています。どんなに生活に恵まれている方でも、「もっ
と○○みたいになりたい」など自分以外の人や物を見て目標を持つと思います。それこそがまさに劣等感です。つまり劣
等感があるからこそ反発する気持ちで前に進めるからです。なので、劣等感なんてないという人いは、自分の事が見え
ていないだけで、一生発展する事がない状態になってしまいます。
しかし、劣等感が強すぎてギスギスしている人がいると思います。それは、アドラー心理学では、劣等コンプレックス
と区別されています。劣等コンプレックスとは、劣等感が前向きに頑張るエネルギー源なのに対し、劣等感を行動で解
消する事を諦めて歪んだ心になることを指します。劣等コンプレックスには、大きく分けて「攻撃」「自慢」「不幸の
アピール」の3つあります。
1つ目の「攻撃」とは、成功できないという劣等感がある人が、成功している人を嫉妬したり悪く言ったりする事を指
します。これが行きいすぎてしまうと「社会で話題になりたい」と言う劣等感が裏返って「悪い意味でも良いから有
名になりたい」と犯罪を起こす事もあるそうです。
2つ目の「自慢」は、自分が優れている事をアピールことで、劣等感から目をそらす事を指します。本当に成功してい
る人は決して自慢をしないそうです。つまり自慢とは劣等感の裏返しであり、同時に劣等感から目をそらしている事に
なります。
3つ目の「不幸のアピール」とは、劣等感をあえて口にすることで気にしてないと自分を装うことを指します。しかし、
相手側からすると表面的には「大変だったね」と言っても本心では、その人自身に原因があるのではと考える可能性が
あります。なので、どうしても不幸の話をする場合は、不幸によって得た物をセットで話すことで、前向きな印象が作
れ、また自分自身に言い聞かせることでポジティブなエネルギーになるそうです。
これらの事から劣等感そのものは悪い事ではなく、そこから目をそむけて劣等コンプレックスとなり、上記の行動など
で本人の気持ちや周囲との関係を悪化さることがダメだということです。そして劣等感を解消する唯一の方法は劣等感
に対して、行動を起こす事が大切です。
福田
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