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第554回 ビジネス書で鬱になった話

2025年05月18日

食品会社で働くある女性がいました。彼女は昔から上昇志向が強く学生時代から起業を考えていました。そんな彼女の大好きな時間は「読書」でした。特に一番好きなのが「ビジネス書」で、時間さえあればビジネス書を買い毎日のように読んでいました。一日に必ず一冊、多いときは三冊以上読み、年間で数百~千冊ほど読んでいました。彼女にとってビジネス書を読むときは何事にも代えがたい至福の時間でした。

特に成功者の金言に触れる事で自分も彼らのようになるという気持ちになり現実を忘れることができました。

そこまで思っているなら早く起業すれば良いのではと思うかもしれませんが、知識を入れれば入れるほど自分は知識不足だからもっと勉強しないといけないと思いさらに起業できなくなっていきました。さらにビジネス書を読めば読むほど矛盾に悩むことになりました。

例えばコミュニケーションが大切だと書かれているものもあれば、人の言うことを聞くなと書かれたものがありました。確かにコミュニケーション能力は大切です。とはいえ人の話を聞かず自分の思った方向に進み続ける行動力も重要ですからどちらも真実ではあります。

何にせよビジネス書を読めば読むほどかえって混乱し自信を失ってしまったのです。

結果的に色々疲れてしまい鬱になってしまいました。そして心療内科での鬱の治療を開始し、治療の他にビジネス書から離れることで気持ちも改善していきました。

こうなるとビジネス書を読むことはダメなのかと思うかもしれませんがそういうわけではありません。

例えばビル・ゲイツやウォーレン・バフェットはある大学でのトークセッションで欲しいスキルを聞かれた際に「本を読む能力」を望んでいます。カナダの調査では本を読む人の方が年収が高くなると言う結果も出ています。知識は何よりも重要で本を読むことでそのものは人生を豊にします。では今回の女性は鬱になったかというとインプットによりすぎてしまった事が原因かもしれません。インプットばかりでアウトプットをしなかったために苦しんだのかもしれません。そもそも大半のビジネス書には知識よりも行動が大切と書いてあったりします。

よってオススメなのは「書く」ことです。例えば起業したいならそれについて具体的に書いてみることです。気持ちを発散することでラクになります。また起業に向けて一歩でも進むことで少しずつ前向きになれるはずです。

人間はインプットばかりでは疲れてしまいます。どんな形であってもアウトプットすることが大切です。

福田

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