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2015年08月09日
こんな授業があった。
先生が生徒にやかんについての実験を説明していた。
先生「ここに水の入ったやかんがあります。これに火をつけて沸騰したら火を消します。沸騰したやかんは絶対に触ってはいけません。大変熱く触るとやけどをするからです」
生徒「はい。わかりました」と返答する。
その中の生徒A「本当にやけどするのかなあ。触ってみよ」「あちーやけどしたあー」→先生のことが信用できなくて実験してみるタイプ
生徒B「やっぱり触るとやけどするのだから触ってはだめだ」と学習するタイプ。
生徒C この生徒はこの先生の授業を受けていないのだが、たまたま通りががっておもしろそうだったので実験の一部始終を見ていて、熱いやかにに触ると火傷することを覚えた」
このタイプはなかなか社会にいない。どうしても自分の作業にいっぱいいっぱいで他人のふりを見る余裕がないからである。
生徒D「どうしても触ってみたい。しかし自分で触るのは嫌だからだれか違うやつに触らせて自分はその様子をうかがおう」
真に要領のいいタイプである。これは大成する。生徒Cも少ないがこの生徒Dはなお少ない。CとDの性質を兼ね備えている人は相当大成するであろう。
さて仕事に当てはめてみよう。
先輩が新人Aに作業を説明し最後に「ここに気をつけないと失敗します」と付け加えた。
先輩は新人Aに作業をやらせてみて30分ほどつきっきりで指導し、作業ぶりを確認していた。どうやらできそうだったのでその場を離れた。
始めてから40分後新人は先生が注意したことを守らなくて案の定失敗した。やかんの話でいうと熱いやかんに実際に触ってみたのである。
社会で仕事につかまると大体の新人は生徒Aである。頭では理屈がわかるのか説明が終わると「はい」と言う。しかし失敗するのだ。
それで先輩が飛んできて叱られる。「だからこうすると失敗するといったでしょう」と。
これが普通の出来事である。その叱られている様子を見てBさんは学習するのである。これを「人の振り見て我が振り直せ」ともいう。